M.I.K.E.(後編)


...。



マイクのヤツ...死んじまったのか?



...近い状態よ。



...分っかんねーよ。 コイツ、頭良かったじゃねーか。
もっといい方法があるって言ったのに...なんで分かってくれねーんだよ。


...マイクは、グングニルを使うためだけに人に造られた存在だった。
その役割を頼りに、千年という長い時間を過ごしてきたのだとしたら...


誰も、犠牲になんかしたくない。
その中には、マイクも入ってたのにね...


...。



...分かるぜ。オレもなんか寂しいもんよ。
コイツのこと...嫌いじゃなかった。


マイク...


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


...アイツ、いなくなっちまったな。



...。



...オレたちがこの手で、ブッ潰しちまったもんな。



もうよせ、アーサー。
悲しんでるのはお前だけじゃないんだぞ。


あ...悪ィ。



ううん、大丈夫。
気にしないで。


...ね、灯心草。
みんな疲れていると思うし、今日はもう宿屋で休まない?


...酒場じゃないのか?



あのねぇ...



そうだな、僕も少し疲れたようだ。
すぐに宿屋に行くとしよう。


よし、決まり。
さぁ行きましょうリッキィ。


...うん。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


お休みー。



...お休み。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


...?


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


...リッキィ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

...。



周りの大人が色々言ってくる中で、わたしの話を聞いてくれたのは...
施設内に佇むあなただけだった。


『ノー、リッキィ』

『ハードウェアの性能差から鑑みるに、わたしは貴方より先にはいなくならない』



そんなあなたが居てくれたから...だから、わたしは...
パパの意思を継いで、千年後の世界へ向かう決意が出来たのに...


...リッキィ。



!! 灯、心、



一人で泣くな。



...あ...



...。



資格...か。
俺には、そうは思えない。


...。



マイクなら...どう言うだろうな。



マイク、なら...



だから、『あなたの設問自体に問題があると考えます』...
...あ...


じゃあ、大丈夫だ。



そう、なの...かな...



だから、マイク...
あなたの事を今でも友達と思ってていい?


! リッキィ...



マイク!?



マイクが...答えてくれた...



...何だって?



『イエス、リッキィ。あなたの思うままに。
あなたの正義を友として応援しています』...って...


...そうか。
リッキィとマイクは、友達だな。


...うん!



ね、行こう灯心草。
わたしたちの使命を果たすために...

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


僕らは大丈夫だが...



わたしなら大丈夫。 心配しないで。
昨日、マイクとお話できたから。


え、それってどういう事?



言葉通りなんだけど...
灯心草と二人でマイクに会いにいってきたの。


...マイクが、一言だけ話せたんだ。
リッキィのことを今でも友達と呼んでいた。


そうなの!?
よかったじゃない!


そっか! オレも話したかったな。



それにね...もう一つ、教えてくれたの。
セルについての情報よ。


何? ...成程、セルの座標位置か。
迷宮のB25Fにある樹海磁軸を用いて、セルの所へ瞬時に到達できる、と?


おお、マジかよ!!



でも待って。
たしか磁軸の転移先は1つしか設定できないって言ってたわよね?


マイクが転移装置の情報を上書きしたの。
膨大な電力があれば可能だったのよ。


そんな事が、可能だったのか?



うん、もう使わなくなったグングニル。
その発射のためのエネルギーを全て使ってデータを書き換えてくれたわ。


グングニルのエネルギーを!?
マイクが、そこまで協力を...


...ああ、一緒に戦おう。



おう、オレも戦うぜ!



言うまでもない話だ。
セルを放置はできないからな。


そうね、マイクの為にも...
みんなで頑張りましょう!


うん! ありがとう、みんな!
ありがとう、灯心草!

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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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