樹海に住む謎の生物を調査しろ!




長が、僕らの口から直接報告を聞きたいらしい。
どういう風の吹き回しだろうな。


さっきの職員さんには聞かせられない、とか?
というか本当に向こうの勝手よねぇ。


もしかしたら、《災厄》についてかも...



...。



えーと、ようするに今回のことは他言するな。
見つけた石版は執政院で預からせてもらうってか。


不要に人の心を騒がせることもないというのが、長の考えのようだ。
しかし妙に念を押されたな。


はぁ!?



そんな...!?



わかりました。
...これで、後ろ盾は無くなったか。


灯心草、ちょっと見切りが早すぎるぞ。
...失礼ながらヴィズル殿。


樹海の深部に眠るものを目指して
冒険者を集めてきたのではなかったのですか?


そうだぜ、それなのに...
って具合悪いのか?


...はい。



ふぅ、どうなることかと思ったけど
遺跡の立ち入りを許可してもらえて本当に良かったわ。


しっかしあのヴィズルってやつ...
なんか様子が変だったよな。


そうだな、彼の言葉は理解し難いものだった。
探索をやめろと言い、反論するとすぐに探索を推奨すると告げる。


謎の生物についての反応も変だったし、何か隠しているのかも...
灯心草はどう思う?


って、何してるのよ?



謎の生物について長に訊ねたが、何も答えてくれなかったらしい。
ありのまま見たことを伝えて欲しいと頼まれた。


だから説明してたのよ。
...正直、この人の方が長より...だし。


...この人にも秘密?
いよいよ長の意図が読めないわね。


やはり長は何か隠しているのだろうな。
彼の口ぶりは、樹海の奥に何があるか把握しているかのようにも聞こえたが...


それもそうだけど、わたしは長の名前が気になるわ。
ヴィズル...偶然だと思うけれど、その名をわたしは知っている。


あン? それ、どういうことだよ。



千年前にも、ヴィズルという名の人がいたの。
それも、世界樹計画の関係者にね。


は? それって、つまり...?



エトリアの...世界樹のある街の長の名が
千年前の世界樹計画関係者と同じ、か。


確かに、少し気になるな。



そうよね、わたしも気になるんだけど...世界樹計画実行者ヴィズルの顔を私は知らないの。
だから偶然なのか何か関係があるか分からないわ。


...今はあまり気にしても、仕方ないか...?


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ちぇっ、せっかくミッションが終わったのに
おおっぴらに言えないのはツマんねぇなぁ。


しょうがないだろう、そういう約束だ。
(灯心草は普通に破ったが...)


これからも、冒険者は樹海に入るだろうし
執政院はどうするつもりかしら?


さぁなぁ、調査を中断するか続けるかもアヤフヤな感じだったしよ。



だけど、誰にどんなに嫌がられても樹海の調査を中断することはできないわ。
グングニルのために必要なことなんだもの。


それは分かってるわ、でも...
せっかく言葉が通じてるんだから。


剣ではなく言葉で、か。
可能であれば理想的だが...


ええ、そうよね。
分かってるんだけど...


ったく、まだ先の話じゃねーか。
いいからお前は飲み食いしとけって!


あんたねぇ、人を何だと思って...



おーい、注文!
とりあえず羊のあぶり肉を一斤! それと香草入り森兎のシチューを1つ!


さらに最上の塩豚の素焼きを頼もう。



ちょ、ちょっと! いつもの一杯もお願いね!
それと極上の赤チーズと干し果物の盛り合わせ、花梨ジャムのガレットも頂くわ!


...大丈夫。
いつものラクーナに戻ったわ。


まったくだな。


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新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女