希望に満ちた冒険者が踏み固めた大地(B1F)


カンパーイ!



...乾杯。



...かんぱい。



プハー!



まったく...
ラクーナ、まだ早朝だぞ。


いいじゃないの、グラズヘイムから一晩かけて戻ってきたところなのよ?
今が仕事あがりよ。


まぁたしかに、そんな感じかもなぁ。
今日はもう宿屋に行こうぜ。


何言ってるの、今日から世界樹の迷宮に挑むわよ。
そうでしょ、灯心草?


...ん、そうだな。
宿屋で夜まで休んで、それから行くこともできるか。


えぇー!?
マジかよー。

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...ふむ。ここが...



これが「世界樹の迷宮」...
危険な場所だと聞いているけど、こうして眺めていると美しい森ね。


ウツクシイ?なぁに言ってんだよ。
夜じゃねーか。


アンタねぇ...風情って言葉知ってる?



さて、ではまず軽くB1Fを回ってみるか。
酒場でいくつかクエストも受けてきたぞ。


クエスト?
そんな暇はないわよ。急いで転移装置を見付けないと。


...サイモン、その転移装置というのはどこにあるんだ?



どうだろう、特殊な磁場の場所らしいが。
何にせよ、ここは危険な迷宮なんだ。あせらずに進むべきだと思う。


...その図書館の情報っていうのは、信用できるんでしょうね?



あン?
おいお前、サイモンを信じねぇのかよ?


ちょっとアーサー、先に進むわよ。


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...そうだ、灯心草。
君に伝え忘れていたことがある。


何だ?
このフロアにある、閉ざされた扉の開き方か?


いや、それについては僕も未知だ。
「グリモア石」のことだよ。


グリモア?



ミズガルズ図書館で研究中の不思議な力を秘めた魔石だ。
僕はメディックだが、この石の力でソードマンのスキルを使用できる。


他者のスキルを使えるようになる石?
...いいのか、俺に教えても。


君にはこの石の力を理解しておいて貰いたい。
有効活用してくれ。

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誰かの落とし物かしら。



おいおい、なんか汚れてねぇか?
...ん?


ブーツの中に何か入っているな。



ふぅん、持ち主が隠していたのかもな。
得したじゃないか。


ここで魔物に襲われたみたいだし、少し気が引けるけどね。
...ここで魔物?

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...とまぁこの通り迷宮には危険も多い。
あまりあせって進むべきではないと思うな。


...いや、今のは余計な行動をしたからじゃない。
とにかくわたしは...


うん、やっぱり同じ森でも私の故郷とは感じが違うわ。
どこが、とは上手く言えないけれど。


...故郷?



ここから遠い北東にある《オンタリオ》って街よ。
紅葉がキレイで、甘い樹液が採れるメイプルの木が評判なの。


...へぇ。



この辺りはオークの木が多いようだ。
珍しい木ではないが、ラクーナの故郷では見かけないかもな。


ラクーナってたしかお嬢様なんだよな。
全然そう見えねぇけど。


名物料理はメイプルを使った鶏の照り焼きとかカリカリのメイプル・スペアリブ。
デザートにメイプルアイスとかも定番ね。


ラクーナは作れるの?



んー...それがねぇ、作り方は知らないの。
地元では専属の職人がつくっていたから。


...そう。



食べたいのか?フレドリカ。



そ、そんな事、ひとことも言ってないでしょ!
無駄話はおしまい、はやく進みましょう。

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灯心草/レベル6
ラクーナ/レベル6
サイモン/レベル6
アーサー/レベル6
フレドリカ/レベル6

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新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女